旦那は最高!でも5才下のニヤニヤ後輩と不倫生活⑧

いつもニヤニヤしてる会社の後輩。正直気持ち悪いと思っていたけれど、一緒に仕事をしているうちにその気持ちは変わっていった。でも、旦那も大好きです。

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その後の仕事は順調だった。そしてついに私たちは、プレゼンで勝つことができた。歯磨き粉のCM制作だったが、彼は歯磨き後の爽快さを前面に出し、私は歯のツルツル感覚をアピールした。彼が上手に構成を考え、まとめてくれたのがよかったのだと思う。微妙な判定だったようだが、採用されればこっちのものである。見に来ていた部長も喜んでいた。

私たちは仕事以外の場でも、定期的にデートするようになっていた。特にほぼ毎週のようにコートに通い、二人に共通の趣味であったテニスを楽しんだ。私が半端にロブを打つと、彼は決まってスマッシュをした。お構いなしである。でもそれが、彼のいい所である。

日曜日になるといつも家を空けることになり、家にいられない私を旦那は疑うのではないかと心配していた。でも旦那はいつも快く、私を見送ってくれる。帰りの時間を確かめ、決まり文句のように「子どもたちは任せとけ」と言ってくれる。本当にいい人、私にとっては

最高の旦那である。だから彼との不倫は、絶対にバレてはいけない。それだけは絶対…。

私が心がけたことは、要件が仕事であると嘘をつき通すこと、帰りの時間をしっかり伝え、それを守ること。そして旦那との夜の営みを絶やさないこと。旦那を愛している、それは私の本心である。旦那も私のことを、変わらずかわいがってくれる。だから私には、旦那を裏切っているという感覚がない。彼との想いを募らせても、気持ちが変わることはない。

彼は旦那への想いに嫉妬したり、身体を求めたりすることをしなかった。街中を手をつないで歩いたり、別れ際に抱き合ってキスしたりすることはいつものことである。でもその先ホテルに誘われたり、強引に身体を触られたりすることは一切なかった。寂しい気もするが、彼も私も、お互いに求めるものを心の中でわかり合っていたからかもしれない。

私が彼と付き合い始めて2か月ほどが経った頃、会社ではペアの配置転換が行われた。再びメンバーがシャッフルされ、私は新たな男性と組むことが決まった。彼も新たな女性と組むことになり、私たちは近いうちに仕事上のパートナーとして働けなくなることになった。

私たちはその日のうちにレストランを予約して、二人だけの食事会を行うことにした。

「乾杯! お疲れ。今までありがとうね」

「真理ちゃんも頑張ったよね。いい仕事ができて幸せだったよ…」

いつもの何気ない会話だったが、胸に迫るものがあった。これがパートナーとしての最後の彼の姿なのだと思っていた。彼も感慨深く、私の目を見ているような気がしていた。

彼の職場での微笑みを絶やさない姿は、変わっていなかった。でも私にはわかっている。私の前では、素直な彼のままだった。飾らず自然な表情で、いつも私と接してくれた。

仕事上のパートナーではなくなったとしても、私たちの関係が終わるわけではない。いつでも彼は、私の恋人である。彼も私のことを同じように思っている。それは私たちがお互いに必要だから。だから確信がもてた。これからも私たちは、いいお付き合いを続けていける。今のままの関係で、私たちはこの先もずっと人生のパートナーとしてやっていける。

世間で私たちの関係は、不倫として捉えられるだろう。不倫はよくないことだとされる。確かに裏切りのある、よくない関係である。でも私の中で、旦那と彼とは違う存在なのだ。旦那が私にとって一番の存在だったとしても、彼は私の心のピースを埋めてくれる存在なのだ。そのことは、彼もよくわかっている。だからこのままの関係でいいと思ってくれる。

私の中の彼との関係を、大切にしていこうと思った。彼も彼の中の私との関係を、大切にしてくれるだろう。それが彼と長く交際していける、唯一の方法だと感じている。

「真理ちゃん、どうしたの? 考え事してた?」

「ううん、何でもない。私、海老ドリア大好きなんだ」

「そう、クリーミーなのが美味しいよ」

「そうなの? 食べてみたい…」

私の甘える言葉を聞いて、彼は微笑んだ。私はこの彼の微笑みを大切に、生きていこうと思う。どんなにつらいことがあっても、彼の微笑みは私の支えになってくれるはずだから。

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