チャラ男大学生とプラトニックな不倫⑪

晶子はアルバイトで知り合った大学生の千葉くんから何度もランチに誘われていたが、千葉くんは生理的に無理な人だった。けれど、人間関係なんていつどうなるかわからない。晶子は少しづつ千葉くんに惹かれ始め最後は不倫関係になってしまった。

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大学生のときに友人に誘われて初めて参加した合コンで知り合った異性で名前はすぐに出てこないけれど、初めて付き合った人。付き合ってから2カ月くらいだったと思うけれど、相手の一人暮らししている家で私とその彼は男女関係を持った。

そのときのシュチュエーションに似ているためなのか、ドキドキが止まらないし、自分の気持ちが抑えきれなくなってきた。

私は既婚者ということと、千葉くんと男女の関係になりたい、の2つが頭の中をグルグルと駆け巡る。

「ねぇ、千葉くん・・・。嫌だったらいいんだけれど・・・。キスしない?」

私の口からその言葉が出た。

正直それくらいなら。と思った。

プラトニックな関係だけれど、それくらいなら・・・。

だって、私がそれを望んでいるから。

「あれ?いいの?」

けど、千葉くんはいつもと変わらない口調だった。

「私から言ったんだから良いのよ!するなら早くしてよ!恥ずかしいじゃない。」

これが断られたら本当に恥ずかしいことになる。

ここは押し切ってでも通さないと。

「それじゃあ・・・。」

それじゃあってことは、キスしてくれる。と思った瞬間に千葉くんの口元が私の口元に近づいていた。

時間が止まったように思えた・・・。

男女の関係を持たないプラトニックな付き合いだけれど、私たちは口づけをした。

でも、それ以上の行為をすることは一切なかった。私は既婚者だからそれ以上はやっぱりできないし、千葉くんもそれを察してくれいたんだと思う。

この日、千葉くんと何を話したかよく覚えてないけれど、2時のシンデレラタイムが来たので時間通り帰ったことはよく覚えています。

千葉くんとはその後もプラトニックな関係を続け、ときにはランチしたり、ときには千葉くんの家でまったりしたりしていた。

アルバイトのシフトで顔を合わせているといつも通り「晶ちゃん、おはよー!」って感じであいさつしてくるけど、2人のときは口づけをしてそれ以上を求めない。本当に不思議な関係だと思っている。

それでも私は満足だった。日頃ストレスを溜めているわけではなかったけれど、旦那への不満はあった。旦那が不倫をしているとは思えないけれど女性社員とのランチは何度もあるし、これからもあるだろう。

それから2年の月日が流れ大学2年生だった千葉くんは4年生になり卒業を目前に控えており、就活をしていたため髪も黒になっていた。

コンビニのアルバイトも2月末で辞めた。もちろんスタッフからは就職おめでとうと祝福され、辞めたというよりかは卒業という表現の方が正しいだろう。

学校卒業後は外資系の証券会社に就職が決まった。私の証券会社時代の話を聞いて興味を持ったからその道へ進みたいと考えたらしい。面接のときも「アルバイトで知り合った主婦が証券会社に勤めていて話を聞いて興味を持った」と言ったそうだ笑

でも、勤務地が県外になってしまう。仮に帰省したとしても休みは土日だから2人で会うことは難しい。

会えるにせよ、会えないにせよ、私たちの関係をこの先ずっと続けていくことは出来ない。私は既婚者だし、千葉くんだってこれから家庭を持つこともあるし。

だから、これを期に私たちは別れることにした。最後は千葉くんの家を引き払う前日に千葉くんの家で会った。

「またね。」

これが千葉くんの私にかけた最後の言葉だった。いつも通りシンデレラタイムで私は家に帰った。家に帰った後は込み上げていた涙が溢れ出た。

でも、もしかしたらまたどこかで別の形で会うことになるかもしれない。

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