チャラ男大学生とプラトニックな不倫⑦

晶子はアルバイトで知り合った大学生の千葉くんから何度もランチに誘われていたが、千葉くんは生理的に無理な人だった。けれど、人間関係なんていつどうなるかわからない。晶子は少しづつ千葉くんに惹かれ始め最後は不倫関係になってしまった。
迎えた水曜日。
旦那と息子はいつも通り会社と幼稚園へ。
私の家からは少し遠くで千葉くんの自宅近くのランチで評判の良いカフェで約束をしている。
千葉くんは近所のため徒歩で来て、私は自分の車で向かいお店の前で待ち合わせた。ちょうど同じタイミングで2人ともその待ち合わせ場所に到着した。
「やっほー!晶ちゃん。」いつも通りの千葉くんだった。「相変わらずね、千葉くんは。さあ、入ろう。」
そして私たちは店内へ入り、店員さんが「いらっしゃいませ。2名様でしょうか?」と私たちに聞いてきたので「2人です。」と千葉くんは答えテーブル席へ案内してもらった。
店内は落ち着いたレトロな作りになっており、どこか懐かしさを感じさせる素敵な空間だ。おそらく古民家を改装したのだろう。
メニュー表に目を通すがカフェなのでも手の込んだ料理はないがコーヒーはこだわりがあるという旨が表記されている。
私はコーヒーについてはさっぱりわからないが、千葉くんとこの素敵な空間で時間を共有できるなら何でもいいやって思っていた。
私はパスタとコーヒーを千葉くんもコーヒーとピザを注文した。料理が来るまでの間、私は気になっていたことを千葉くんに聞いた。
「千葉くんさ、なんで一回りくらい年齢が離れている私を誘ってきたの?」
「晶ちゃんがタイプだったからだよ。」
その答えにますます疑問が出た。
「タイプって・・・。千葉くんは熟女好きなの?」自分で自分のことを熟女と思ってないがこの場ではそう表現した。
「熟女好きではないよ。きれいなお姉さんタイプが好みかな。」ってことは千葉くんから見れば私はきれいなお姉さんタイプってことになるの?胸が少しだけドキドキした。
「学校にそういった子いないの?今付き合ってる彼女は?」
そう言っている間に注文した料理が運ばれてきた。見た目はすごく良い。
「千葉くん、良い店知っているんだね。ちょっと見直したよ。」
「それほどでもないないよ。それで、彼女だっけ?」
「そうそう。いないの?」
そう聞いた瞬間に直感的にいたらどうしよう・・。と考えてしまった。やっぱり私は千葉くんのことが好きなんだ。以前、アルバイトで出禁にした人からも千葉くんは私のことを守ってくれた。千葉くんとの良いことばかりが頭の中をよぎる。
「彼女はいないよ。いたら晶ちゃんのこと誘わないと思うよ。」
その言葉を聞いて私はほっとした。それと同時に既婚者で不倫を否定していた私が独身者の一回り以上年下の異性に恋をしたことに完全に気付いてしまった。でも、自分の気持ちをもう一度試すため私は続けた。
「さっきも聞いたけれど学校にかわいい子とか、気になる子もいないの?」
テーブルの上にあるコーヒーを一口飲み終えた後で私はそう聞いたけれど、やはり無意識のうちに千葉くんの学校での女の子との関係が気になってしまう。
「う~ん。かわいい子は多いけれど、気になるとか好きな子はいないかな。」
先ほどと同じような気持ちになった。千葉くんに聞いたことによって私は自分の気持ちに嘘はないと気付いた。思春期の頃にも同じような気持ちになったことを思い出した。