チャラ男大学生とプラトニックな不倫④

晶子はアルバイトで知り合った大学生の千葉くんから何度もランチに誘われていたが、千葉くんは生理的に無理な人だった。けれど、人間関係なんていつどうなるかわからない。晶子は少しづつ千葉くんに惹かれ始め最後は不倫関係になってしまった。
って、ダメダメ!晶子、ダメだよ!私には大切な家族がいる。
ちょっとくらいというのは絶対ダメだ!いろんなことが頭の中をよぎっている。
「どちらにしても、私と千葉くんはアルバイトの関係なんだからね。」
この言葉が私の本心なのかそうでないのか、自分でもよくわからなかった。
一応千葉くんからのお誘いは断っていたけれど、千葉くんは断っても断っても私のことをお茶に誘ってくる。不思議としつこいと思わなかったし、それどころか心の奥底では千葉くんとお茶くらいなら良いのではと思っていた。でも、私は既婚者だし、子供もいる。だから千葉くんのお誘いに乗るわけにはいかなかった。
それから数日経過した頃に旦那が同僚の女性社員と仕事のお昼休みに2人でランチをしたと旦那の口から聞いた。
私と旦那は同じ会社に勤めていたけれど、その女性のことは名前すら知らなかった。どうやらつい最近旦那の支店に転勤で来た女性らしい。相手方も旦那のことを既婚者と知ったうえで一緒にランチをしたそうだ。
それを知ったとき、既婚者だから配偶者以外の人とランチしてはいけないことではない?そう思った。
私の考えが固いのか、古いのかわからないが、今はそれが当たり前なの?別に隠れてラブホテルに行ったわけではないし。同じ会社の仲ならランチくらいなら後ろめたいではないの?
自分に問いかけても何か解決することはなかった。それどころか千葉くんからのお茶のお誘いのことが気になって仕方なかった。
千葉くんとお茶くらいなら・・・。
旦那が女性社員とランチをしたことを知ったときからは、私はそれが頭から離れなかった。千葉くんとはそれからもシフトが同じになりお客さんがいないときは私は千葉くんを目で追いかけていた。
自分で意識しているわけではなく、無意識のうちにしていることだった。学生時代にも付き合うことはなかったが、私は同じ学部の好きな人がいて、その人のことを無意識に目で追いかけていたことを思い出した。だから今回も自分で気付いていた。
私は千葉くんに恋をしているかも。と。
だけど、それとは裏腹に千葉くんは私をお茶に誘ってくることはなくなった。
だから私は千葉くんとシフトが一緒のときに意を決して千葉くんに聞いてみた。「この頃、お茶に誘って来ないね。」と。すると千葉くんは「最近は大学の勉強が忙しいので」と返答する。
自分が恥ずかしくなった。これではまるで既婚者の私が年下の大学生を誘って断られたようだ。 これがきっかけで私と千葉くんは業務以外の会話がほとんどなくなった。なくなったというより私のほうから必要以外に話しかけなくなった。