恋に落ちたのは卒業式の1日前⑥

高校の卒業式の1日前。私は同じクラスの江崎くんに恋をした。けれど、彼の連絡先は知らない。が、フェイスブックでつながることも出来て私と同じでGReeeeNが好きな江崎くん。江崎くんから借りたCDの「遥か」が思い出の曲となりました。

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周りが暗くなりケータイで時間を確認すると18時なっており待ち合わせてから2時間くらい立ち話をしていたことになる。

けど、その2時間があっという間でこのまま時間が止まってしまえばいいのにとさえ思えた。

近くに外灯があったおかげでお互いの姿が見えるが季節は11月。

この時間はさすがに寒い。江崎くんに今の時間を伝えると「もうそんな時間なんだ。帰って受験勉強しないと。」

と言いながらも帰りそうな気配は全くない。でも、江崎くんの合格のためだし

「また今度話そうよ。」

私が言うと江崎くんはほほ笑みながら

「そうだな。」と言った。私も、もっと江崎くんとお話をしていたかったけれど受験勉強の邪魔をするわけにはいかない。

江崎くんももっと私と話したそうだった。日が暮れていることを確かめるように私たちは急に無口になった。

「またメールするね。受験頑張ってよ。」

先に口を開いたのは私だった。

江崎くんに精一杯のエールを送る気持ちで口を開いた。

 「ありがとう。メールも待っているよ。」

江崎くんもそれに応えるかのような返事をしてくれた。私たちは次に会う約束をすることもなくその場を解散した。

私にとってのこの2時間という時間は本当に楽しい時間だった。気のせいかもしれないけど家に帰って洗面台で自分の顔を見たら肌がきれいになっているようだ。

江崎くんを異性として意識したからなのかな。

それから数日後私は江崎くんにメールをした。「この前はありがとう。すごく楽しかったよ。」江崎くんからの返事はすぐに来た。

「おれも楽しかったから、あの場で帰りたくなかったよ。」

このメールを見て私は江崎くんと両想いなんじゃないかと思った。

もしかしたら、この前会ったときになかなか帰らなかったのは私と一緒にいたかったから?

青春の1ページは確実に私の心に描かれている。いや、1ページどころではない。ここ数週間で、10ページくらいは描かれただろう。

両想いなのかはっきりわからないのに飛び上がるほどの気持ちだった。

でも勘違いだったら恥ずかしいのでメールをして江崎くんとの少しずつ距離を近づけていこう。そう考え日頃のことやGReeeeNのことをメールで話した。

それ以外にも江崎くんのフェイスブックが更新されていたらコメントやいいね!を欠かさずにした。

そんなある日。

ちょうどグチを誰かに言いたかった頃「大学ってどうなの?」と江崎くんから質問のメールが来た。

「大学って友達がいつもノート見せてとか講義サボるから出席表代わりに書いておいてとか。面倒なこともけっこう多いよ。」と私は江崎くんにメールで大学でのグチのような返信をした。

今考えるとこれが後悔するきっかけになったメールだった。

きっと江崎くんとのメールに慣れ過ぎいたんだと思う。

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