恋に落ちたのは卒業式の1日前③

高校の卒業式の1日前。私は同じクラスの江崎くんに恋をした。けれど、彼の連絡先は知らない。が、フェイスブックでつながることも出来て私と同じでGReeeeNが好きな江崎くん。江崎くんから借りたCDの「遥か」が思い出の曲となりました。

1話から読む


友達にも相談したけれど「デートに誘えばいいじゃん。向こうから友達申請してきたってことは脈ありだよ。」

と言われ、頭ではわかっているが私にはそれを伝える勇気がない。きっとこれが恋の悩みなんだろう。

私はフェイスブックの投稿には学校のことや、好きなアーティストのことを投稿していた。私はGReeeeNが好きで、「この曲好き」などの投稿を何度かしていた。

そんなある日、江崎くんとメッセージを交換し始めてから10日くらい経ったとき。江崎くんは私のフェイスブックの投稿を見たのか「好きなアーティスト一緒だ(笑)良かったらアルバム貸そうか?GReeeeNのアルバム。」

と、まさかのメッセージを送ってきた。

私はGReeeeNが好きなのですが江崎くんもGReeeeNが好きなのです。

一瞬ときが止まったように私の動作も止まりましたがその次の瞬間その場でガッツポーズをしました。自分の部屋でなければ絶対にできないことだ。

どうやら恋の神様は私の味方なのだ。江崎くんからの返信は迷うことなく「うん!貸して!」即答だった。こうしてCDを借りるという口実で江崎くんと会う約束が出来き、私の恋は一歩前進した。大げさかもしれないが、人類が月面着陸をしたのと同じくらいの大きな一歩だ。

GReeeeNのアルバムを貸してくれるのも嬉しいけれど江崎くんに会えるほうがもっと嬉しい。

今まで恋人もいたこともないし特別好きだった人もいなかったから私にとっては初恋だった。

私の青春時代が幕開けしたとことを宣言した。明後日の夕方の16時に近所の図書館の前で会う約束をしている。私は大学が終わってからその足で向かう予定。今から何を着ていこうか、メイクはどんな感じにすればいいか悩んでいる。でも、なんだか楽しい悩み。

いろいろ考えていたらあっという間に当日を迎えた。洋服は秋らしい濃いめのベージュのワンピ。お小遣いを貯めて買ったものでお気に入りの一着だ。秋と言ってもまだまだ残暑は残るからちょうどいいだろう。それに今日の天気は私を祝っているのか雲一つない快晴だ。メイクは悩んだけれど、難しいメイクなんてできないし、江崎くんは小学校からの付き合いだから通常通りで良いと思った。

学校にいるときに友達から「のん、楽しそうだね。そのワンピも良い感じじゃん。ついにデートかな~?」なんて聞かれることもあり「正解!好きな人に会うんだ。」と答える。

みんなから「頑張ってね!」とか「良い報告を待っているよ」などと言われた。友達との受け答えも自然に笑顔になり声もいつもより明るいこと自分でもわかる。大学にも慣れて、見慣れた校舎や教室だけれど、いつもよりも明るい校舎、教室のように見える。

女性は恋をするときれいになるというがものすごく実感している。

そして大学が終わりお手洗いでメイクの最終チェックをして家の近所の図書館に向かう。少し早めについてしまって江崎くんを待つことに。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です