恋に落ちたのは卒業式の1日前②

高校の卒業式の1日前。私は同じクラスの江崎くんに恋をした。けれど、彼の連絡先は知らない。が、フェイスブックでつながることも出来て私と同じでGReeeeNが好きな江崎くん。江崎くんから借りたCDの「遥か」が思い出の曲となりました。
友達と言っても特別仲が良いわけでもない。だから連絡先も知らないし。かと言って連絡先を本人に聞く勇気もない。
どうすればいいんだろう・・・。
迎えた卒業式。
1人1人名前が呼ばれ卒業証書を受け取る。
江崎くんの名前が呼ばれ私はボーっと江崎くんが証書を受け取るところを見て心の中で「おめでとう」と言った。
式が終わって最後に教室に集まったとき、友達と話していた江崎くんとは一言も話さず教室を後にして高校生活に「さよなら」と「ありがとう」を告げた。
4月になり大学生活が始まった。そこから3か月もすれば大学生活にもすっかりと慣れて夏休みが過ぎ、季節は秋になった。この頃にはフェイスブックが流行だし私も友達の誘いで登録することにした。
なんとなく、「大学生をしてるぞ!」っていう実感がほしかったし、友達付き合いもあったからだ。
そんなときに、ふと思い出したのが江崎くんのこと。試しにフェイスブックで名前を調べてみた。
するとあった。江崎くん本人で間違いない。
名前も合っているし、顔も同じ。だけど、何かアクションを起こす勇気はなかった。周りの友達が言っていたけどフェイスブックで好きな人を探したことある人はすごく多い。
その友達だけでなく別の友達も同じことを言っていた。SNSで好きな人を探すのはよくあることなんだ。そう思い私だけじゃないことに安心した。
数日後思ってもないことが起きた。なんと江崎くんから友達申請が来た。あきらかに心拍数が上がっているのがわかった。それに手汗も出ている。
「のんじゃん!元気してた?おれ、江崎だよ。」
私は江崎くん本人かを何度も確認し江崎くんで間違いないこと確信した。思ってもない形で江崎くんと繋がるつながることが出来たことに私は踊りたくなるような気持ちになった。
こうして私たちのメッセージ交換が始まった。
同じ小学、中学、高校だし、何度も同じクラスにもなったから共通の友人が多く、ほとんどはその人たちの話。あの人は高校卒業して働いている。この人は高校を中退したそうだよ。など。どうでも良い話だけど、その時間が楽しかった。友だちとのメッセージも楽しいけれど、やっぱり好きな人とのメッセージは返事が待ち遠しい。いつも江崎くんからのメッセージはやく来ないかなと考えていた。
こうして何度かメッセージを交換しているうちに卒業式の前日の桜の花びらがひらひらと落ちていく中での江崎くんの最高の笑顔を思い出し「やっぱり彼が好きだなぁ」という気持ちに気付きましたがそこからどうやってアプローチすればいいかわからない。