利用者のお孫さんと不倫してる話㉒

☆彡話の内容☆彡

私はどこにでもいそうな普通の主婦です。始めて付き合った男性が現在の夫です。そんな私ですが、ヘルパーの仕事をしており、そこで知り合った利用者のおばあちゃんのお孫さんと不倫をしてしまったお話になります。

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いつもの本沢さんらしくない緊張してる声だった。男女としての交際と求めているということで間違いないだろうと思うがびっくりして頭が上手く働いていない。理解できるまでどれだけの時間がかかったのか。

「え?でも、私、結婚して・・・。」

と言いかけたところで

「もちろん知ってますよ。それでも構いません。」

本沢さんは本気の目をしていた。私は人の目を見てこの人が何を考えてるのかなんてわからないけれど本沢さんが本気で既婚者の私に男女としての交際を求めていることはわかった。

「よろしくお願いします・・・。」

頭で何かを考えたわけではなく、自然に声が出てしまった。反射的にとよく耳にするがきっとこの現象だった。つまり、私も本沢さんと付き合いたいと思っていることになる。

「ジャムさん。ありがとう。」

そう言いながら、私の体に腕をまわし包み込むように抱きしめてくれた。だから私も本沢さんと同じように抱きしめた。胸が熱くなりすごくドキドキしてる。でもすごく心地よい。

「こっちに移動する?」

とソファの奥にあるベットを指さした。

「うん。」

恥ずかしかったけれど決して嫌ではなかった。私もそれを望んでいたから。

こうして私たちは不倫関係の領域に入ってしまった。

学校が冬休みに入り受験シーズンが本格的に始まった。冬休み中は本沢さんと会うことは出来なかったけれどラインの連絡は朝と夜は出来た。

クリスマス、お正月も終わり1月も下旬になり大学共通テスト、当時の大学センター試験が始まった。この頃になると本沢さんとの連絡は少なくなった。

でもセンター試験が終わると連絡回数は取りやすくなった。それから約一月後、全ての大学の入試も終了し受験シーズンが終わった。

それと同時に私たちは久しぶりに再会し、週に1回くらいは会っていた。もちろん他人には言えない不倫関係だけど。

夫は相変わらず「子供たちには教師になってもらいたい」と言ってるが以前ほど気にならなくなった。私が聞き慣れたからなのか、不倫をすると家庭で優しくなれると聞くけどもしかしたら、それが原因はわからない。

でも不倫の関係は良くないものだし、ずっと続くと思ってなかった。本沢さんだって今は結婚する気がないと言ってたけれどこの先結婚するかもしれないし。

そう考えながらも月日は流れ私たちの不倫関係は3年を経過した頃に新型コロナウイルスが世界的に流行し始めた。

私は介護の仕事なので職場から人と会うことを制限されていた。本沢さんも職場から同じようなことを言われていたから2人で話合ってしばらくは会わないことにした。

実際に会わないとなると連絡回数も減ってしまい、いつからか全く連絡を取らなくなってしまった。

最後に連絡をしてから半年くらい経った頃、本沢さんのマンションの近くを通る機会があったので101号室のチラッと外から見るとカーテンがなく、部屋の中が見えるが家具が何1つない。というか、誰も住んでいない様子だ。

きっと本沢さんは引っ越したのだ。もちろんそのことは教えてもらっていない。でも、本沢さんがどこかで元気にしてくれてればそれでいい。

こうして私の不倫は自然消滅という形であっけなく終わった。けれど、私にとってはかけがえのない日々でした。もちろん、本沢さんとの出来事は墓まで持っていきます。

そして、本沢さんから”きれいな顔”と言われたことで今でも自信につながってます。

終わり

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