利用者のお孫さんと不倫してる話⑳

☆彡話の内容☆彡
私はどこにでもいそうな普通の主婦です。始めて付き合った男性が現在の夫です。そんな私ですが、ヘルパーの仕事をしており、そこで知り合った利用者のおばあちゃんのお孫さんと不倫をしてしまったお話になります。
ランチを予定している店へ向かう道中は緊張しっぱなしだった。
「明日から冬休みですけど、やっぱりお仕事は忙しいんですか?」
「そうですね、明日からは特別授業が始まって、年末年始以外まで休みはないですね。」
そう聞いて、貴重な休日に私と会ってくれてると考えると嬉しかった。運転してる本沢さんをチラッと見ると横顔が見え、運転してる姿がかっこよく見えた。
「ここです、予約したお店は。」
写真で見てたよりずっと良いお店だ。高級感もあって財布の中が少し心配になった。
「ぼくがお代を出しますので、遠慮しないでくださいね。」
私の心の中が聞こえたのかなって思うくらいのタイミングで本沢さんはそう言った。
「いえ、なんか悪いので自分で出しますよ。」
「誘ったのはこっちなのですし、一度言ったことは撤回できませんよ。」
「なんだか、すいません。」
ということで、ごちそうしてもらうことになった。車をお店の駐車場に止め私たちは店内に入る。
店員さんは夫婦らしき中年の2人が私服の上にエプロンを着ており、他に従業員らしい人は見当たらない。
お客さんも私たち以外には2組いて、夫婦かカップルのように見えるけれど、もしかしたら私たちと同じような関係かもしれない。
「予約した本沢です。」
と言うと奥さんらしき女性が窓際の席へ案内してくれた。席は窓に沿って2人が並ぶ形のタイプである。
「すごい良い景色ですね。こんなところ初めてです。」
高台にあるお店なので海まで見える。その手前にはどこかの町も小さく見える。
「ぼくも来るのは初めてで、ネットで評判だったので来てみたかったんですよ。何を食べますか?」
私たちはランチセットのパスタを注文した。メニュー表を見たけれど値段もリーズナブルだったのでなんだか安心した。
「本沢さん、この前も話しましたけれど私の夫の学歴の考えが全く理解できないんですよ。
でも、それ以外は良い夫、良い父親なんですが。」
その話題から話始め職場のことや私の学生時代の話など、気付けばいろんな話をしていた。
料理も運ばれてきて美味しかったけれど、それ以上に話が楽しくて・・、と言っても
私が一方的に話してるだけで本沢さんは相づちをうってることが多かった。
本沢さんからすれば面白くない話かもしれないけれど私は話してる内に体が軽くなった気がする。
ずっとこの時間が続けばいいのに。
高校生のときに付き合うまでにはいかなかったけれど
男の子とデートしたときも同じような気持ちだった。
気付けばお店に来てから1時間以上経過しており長居していたようだ。
料理も食べ終わっており、食後のデザートもコーヒーも飲み終えていた。
「このあと、時間があれば家に着ませんか?」