バイト先で知り合った年下のカレ③

「ところでけいたくんは何年生なの?」
バイト先では大学生のバイトの人もいるけれど、けいたくんは大学生には見えないので私はけいたくんが高校生だと思い込んでいた。
「1年生っす!」私の2つ年下か。と思った。
「あ、でも高校は行ってません!」
行ってないならなぜ1年生って答えたのかよくわからなかった。それにまた「っす」って言ってるし。
「すいません、また「っす」って言ってしまって。」
仕事に慣れれば「っす」は使わなくなると思ったので大目に見ることにした。
それにしても、すぐに気付いて謝ってくるなんてけいたくんはけっこう可愛らしい一面も持っている。
それからも新人と教育係りとして一緒に仕事をした。休憩も一緒に取っているからけいたくんと話す機会は増えていた。
私は高校へ進学することが当たり前と思っていました。でも、けいたくんは高校へは進学しておらず、それどころか受験もしていなかった。
中学を卒業して1ヶ月は家にいて5月からこの店に来てる。私は高校行かなくて大丈夫なの?と聞くとけいたくんは
「高校に行くことが全てじゃないですよ!」
と自信満々の笑顔で答えた。詳しく聞くとけいたくんの同級生や先輩に中には高校へ進学しなかったり、高校を中退した人が何人かいるらしい。だから高校に進学しないことが標準的なことになってるのだろうと思った。
ハッキリ言って彼はヤンキーです。中学のときなんて原付バイクを盗んで警察に捕まったこともあるくらいでした。今は自分の原付バイクがあるから盗むことはないけれど、2人乗りなんて当たり前のようにしているそうだ。この人はよく免許が取れたなって呆れてしまうほどだ。
他にもたちの悪い先輩からお金を巻き上げられたこともあったりと。明らかに普通の生き方はしていないんだろうと思います。