バイト先で知り合った年下のカレ②

私が高校3年生になった年の5月にその彼がうどん屋のアルバイトとして入ってきました。真っ黒に日焼けした肌で少しやんちゃしてるのかな?というのが第一印象です。正直、ちょっと苦手なタイプだなって思いました。
それなのに店長からは「この子、今日からだからいろいろ仕事を教えてあげてね」と教育係りを任されてしまいました。
「こんにちは。とむこって言います。よろしくね。」
「こんちわっす!おれ、けいたっていいます。よろしくお願いっす。」
と、まぁこんな感じのあいさつでしたが今思い出せばとても懐かしい思い出です。
当時のうどん屋の制服と言えばはっぴが定番でした。私のバイト先も例外ではなく全員はっぴを着ていました。はっぴを羽織ってひもを腰のあたりに巻くようなタイプだったのですがけいたくんは、はっぴを着るの産まれて初めてだったらしく着るのにもかなり手こずっておりました。
「けいたくん、見て。まずはっぴを羽織ってそれで男の子は左が上に来るように重ねてひもを縛るの。」
と言いながら私はけいたくんの前ではっぴを着てるところを見せてみた。
「ん~、これで大丈夫っすか?」
「なんだかひもの結び方が変だよ。ちょっと貸してみて。」
私はけいたくんの正面に立ち彼のひもの結びを直してあげた。
「これで、よし!次からは出来るようになってね。」
「はい!頑張るっす!」
と笑顔で答えてくれた。
「あとね、なんとか「っす」はお客さんの前では絶対に使わないでね!わかった?」
「わかりました!」
このときは、先が思いやられるような気持ちでしたがやる気だけはあるので彼がしっかり1人で仕事ができるようになるまで頑張ろうと思いました。