旦那とレスで寂しくて婚外恋愛してます⑥

加藤くんと会う当日。
主人と娘をいつも通り見送って私は精一杯のおしゃれをした。待ち合わせは家から離れた小さな駅のすぐ近くのコンビニの前で10時。ここなら知り合いにも会うこともないし大丈夫だろうと考えた。
私の方が先についてそのコンビニの前でドキドキしながら待っていると横断歩道の向こうに写真で見た加藤くんがいた。
どうやらこちらにも気付いてる様子でこっちに向かって真っすぐ歩いて来る。近づくにつれてドキドキしてきた。気付けば加藤くんが目の前まで来ており私に向かって
「こんにちは。加藤です。」
と笑顔であいさつしてくれた。あわてて私もあいさつをしたら
「そんなにあわてなくても大丈夫ですよ」
と和ませてくれた。
加藤くんは写真通りのイケメンで、身長は成人男性の平均的身長でやせ形の体型。私は10歳も年上で釣り合うかなって不安になるくらいだ。そこから事前に話していた通り近くのカフェに入りお話をすることに。2人ともコーヒーを注文した。コーヒーを飲みながら話を続け話題は私の家庭のこと。別に隠すわけではないけれど淋しいからマッチングアプリを使ってると加藤くんに話した。加藤くんは
「そしたらさ、おれで良かったら付き合おうよ。」
と笑顔で私に言った。加藤くんから交際の申込みに戸惑いながらも嬉しかった。10歳年下の異性だもん。私は女としての自信を少しだけれど取り戻したところで加藤くんは続けた。
「けれど、結婚願望はあるからそれまでってなっちゃうけど・・・」
と申し訳なさそうに言った。
「私としてもそっちのほうが都合が良いわ。」
加藤くんの申し訳なさそうな気持ちを取っ払うよう私は続けた。
「旦那とは離婚するつもりはないけど、淋しいから彼氏はほしいと思ってる。」
私の中には淋しいという穴がありその穴を埋めなくてはならない。私に限らず女性は淋しいという穴があってはいけないようにできてるんだ。
「だから加藤くんが結婚するまではよろしくね。」
加藤くんは笑顔になり「よろしくね」と言った。
こうして私は結婚しながらも10歳年下の彼氏を作ってしまった。少し沈黙が続き加藤くんは残りのコーヒーを飲みほし目をキョロキョロさせ恥ずかしそうに口を開いた。