女子大生の私が恋したのは既婚者の店長③

帰りながら私は考えた。なんで店長が結婚してると分かったときモヤモヤしたんだろうと。もしかして私、店長のことを好きになったのでは?
GWが明け今日から大学が始まる。初日は午後からの講義だから朝寝坊しても大丈夫なんだけどはやく起きてしまった。
原因は店長のことを考えてた自分がいるからである。考えるとドキドキすることが自分でもわかった。
店長は優しいし、面白いし。顔は普通だし、太ってもいない。年齢が離れていることと既婚者ということを除けば異性としてみれる男性だ。あと何と言っても奥さんが妊娠中。大学の講義中も集中できない。今日はバイトのシフトが入っていから店にはいかないけれど明日はシフトが入っているから店長に会えるのか楽しのしみ。
一応店長に昨日のお礼として「昨日はごちそうさました。店長の話面白かったです。」とメールを送った。
返信はすぐ返ってきた。「無事に帰れたかな。また、飲みにいこうね。明日のバイトもよろしく。」
こうして私は一回り以上年上のそれも既婚者で奥さんが妊娠中の男性に恋をしてしまった。
翌日、バイトのシフトがあったため出勤した。私は18時からの22時までのシフトだけど開店は17時のため店長や社員の人たちは仕込みや準備をするため13時から来てるらしい。
いつもとおりは従業員に「おはようございます。」とあいさつをして店の制服に着替える。GW明けのせいかお客様はいつもの平日よりかは少ない。空き時間もあるため従業員同士での雑談はいつもよりも多く楽しく働いてるって感じがする。
そんな状況で私は店長に事務室へ呼ばれた。事務室はキッチンの奥にあり殺風景な畳4畳くらいの部屋だ。
そこで店長は私にノートを渡されて「おれが読み上げる数字をそのノートにある個所に書いてもらえる。」と言い、私は店長の言われた通りに数字をノートに書いていく。
これは多分GW中のお店に来た人数であったり売上なんだとすぐに理解できた。作業は20分くらいで終わった。店長はお疲れ様ね。少し休憩していいよと優しい声をかけてくれた。
店内もそんな混雑をしていなかったので私と店長は雑談を始めた。先日2人で飲みに行ったこともあり冗談も言えるような関係だったので私は冗談も交えながら言った。
「店長はすごく優しくて、もし既婚者じゃなかったら結婚してほしいですね笑」と。
店長に冗談交じりで言ってしまったけれど、それでも店長は笑いながら
「そうだね。れいちゃんがお嫁さんならうれしいよ笑」
そう言ってくれた。私はまた飲みに連れて行ってほしいことも伝えバイト中ということもすっかり忘れてしまうほど店長と楽しく話をしていた。店長は冗談も通じるタイプなので私は思い切ったことを聞いてみた。
「一回抱きついてもいいですか?」
その場のノリで言ってしまい、さすがに店長に申し訳ないと一瞬思ったけれど、店長は
「いいよ~」
と軽い感じで答えてくれたので私は店長の胸に飛び込んだ。店長の体は暖かくて今まで気付かなかったけれどいい匂いがする。好きな人に抱きつけることは幸せなこと。すごくドキドキして心臓の音が店長に気付かれるかと思える程だった。抱きついてたのは多分5秒くらいだけどすごく長い時間に思えた。