復讐のための不倫が本気になってしまった。⑥

13:00頃
私は天野くんからの電話しても大丈夫?の問いに大丈夫だよ。と答えた。
そして今LINE電話がかかってきた。取る前に一度深呼吸をしてからLINE電話を取る。
「もしもし」
「もしもし、るい、元気してた?」
久しぶりに話した声は懐かしくもドキドキさせる声だった。
けれど、天野くんから驚きのことを知らされた。
「実はさ、11月に今の彼女と結婚することになって」
「そうなんだ。それはおめでとう!」
少し戸惑った気持ちになった。
天野くんは11月に籍を入れることとその後結婚式を行うそうです。LINEのアイコンに映ってる女性は彼女であり婚約者であった。
「ありがとう。それでさ、結婚式は親族だけで行うけれど、それとは別で自分で言うのもあれだけど、結婚を祝う会のような行うから大学の仲間も呼ぼうと思ってたんだけど、どうかな?」
入籍の知らせと同時に会へのお誘いも受けた。場所や日程はこれから決めるそうだ。
「そうだね。ぜひ参加したい」
私は出席することを伝えた。
「それとさ、久しぶりなのに悪いんだけど、相談があって、時間大丈夫だった?」
せっかく天野くんと電話で話せたんだから私は思い切っておとといの主人のことを相談した。
天野くんは優しい声であいづちをしている。そうしてるうちに天野くんは思いもしなかったことを私に言った。
「それじゃあ、ゆっくり今度飲みにでも行かない?大学のときみたいに」
天野くんの中では私は友達の存在。だから友達を誘う感覚で飲みに誘ったのだろう。けれど、この出来事が私を不倫へ導いた言葉だった。
14:00頃
それから天野くんと1時間くらい通話してた。近況も話したし、主人のことも話した。天野くんが言うには男性が女性とプライベートで会うってことはワンチャン狙ってた可能性はある!と言っていた。
主人はみかをあわよくばホテルにでも誘おう思ってたんだろう。そんな主人の妻である私は主人の復讐のために天野くんと飲みに行く約束をした。
飲みに行く日は9月11日の土曜日に行くことにした。もちろん主人には友達と飲みに行くとウソをついて。
9月11日 17:00頃
それじゃ行ってくるねと主人に伝え足取り軽く玄関を出た。
17:50頃
「るい、久しぶりじゃん!大学依頼かな?」
「天野くんも久しぶり!そうね。そういえば結婚おめでとう!」
約束の待ち合わせの場所で私と天野くんは合流し、これだけの会話の中で大学時代の楽しかった天野くんとの思い出がよみがえってきた。
「それじゃあ、積もる話もあると思うから行こうっか。」
青春時代のデートのようにドキドキする。その相手が天野くんでよかった。「行こうっか。」の口調も大学の頃のままで、なんだかタイムスリップした気分だ。
「そういえば、彼女さん?奥さん?と言えばいいのかな。大丈夫?」
「大丈夫だよ。大学の友達と飲みに行くって伝えてるから。ウソついてるわけじゃないし。」
多少の罪悪感はあるけれど、今日は楽しもう。